【水野南北】少食・粗食の人は出世・成功する

成績アップ

目次

  1. 食は成功の基本
  2. 贅沢な食事=「身分が高い」という体験
  3. 倹約・少食で徳を積み、出世する
  4. 人相の吉凶より食の慎みが大切
  5. 栄える=慎むこと
  6. 出世した後で、飲食を楽しむ
  7. 結論:食の慎みに専念する

南北は観相家なのに、人相よりも「食の慎み」が大切と説きます。

表現を変えながら、何度も繰り返し「食を慎む」ことの大切さを私たちに訴えます。

人間は運勢とか占いに惑わされがちですが、そういう時は人生の舵を他人に預けてしまっています。

でも「少食・粗食・倹約」が最強の魔法だと気づいて、自分で人生の舵を取りましょう。

すべては自分の行動にかかっていると納得した方が、人生はすっきりします。

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食は成功の基本

(修身録一巻)

大いに成功・発展する人相でも、怠け者で、酒や肉を楽しみ、自分の本業をおろそかにする人は発展しない。

こういう人間は遊び人の人相に多く、自分の命や財産を食いつぶす人間である。

成功したいなら、自分が望む一つの道を究める覚悟で、毎日の食事の量をきちんと守り、大願成就まではおいしい物を食べるのは慎み、仕事を楽しいと思うのなら、自然と成功・発展するだろう。

食べることが好きだという考えでは、成功・発展は望めまい。

食事は成功・発展の基本である。

それをみだりに食いつぶす人は、成功・発展の基本を失っているのである。

食べるという行為を軽く考えてはいけない。

食べるという行為は恐ろしいほどに重要である。

贅沢な食事=「身分が高い」という体験

(修身録一巻)

食事の量が一定でも、身分以上に食事に贅を尽くす人は、たとえ出世・発展の人相でもその通りにはならない。

毎日の食事は、その人の身分・収入によって決まる。

身分が低いのに、身分が高い人と同程度の食事をする人は、食事において「身分が高い」という経験をしてしまっている。

よって昇進は望めまい。

中程度の身分で、身分が低い人と同程度の粗食をしている人は、自分に与えられる分を食べずに徳を貯めていることになり、昇進する。

倹約・少食で徳を積み、出世する

(修身録一巻)

肉体労働者は稼ぎが多くても、いつも大食なので、日々天地に食べ物の借りを作っている。

ゆえに生涯働き通しである。

天地に借りがあるので、働かないと食が尽きてしまう。

貯金もなく、日々の支払いのために働くこともしない人には、誰もお金を貸さない。

天・地・人もそれと同じである。

ゆえに身のほど以上に大食する人は、決して立身出世できない。

一生働き通しである。

もっとも大食の肉体労働者であっても、倹約を守る人は、天から与えられた禄を貯めているのである。

ゆえに自然と生活に余裕が出てきて安心できる。

毎日真面目に働くだけでは立身出世しない。

倹約をして、少しでも天から与えられた食べ物を将来のために残し、そうやって貯めた徳により立身出世するしか方法はない。

衣食に贅を尽くし、やりたい放題やって、さらに立身出世まで望む人は愚かである。

物を欠く時、事が足る。

物が足る時、事は定まらない。

物と事の両方が足る人など、この世にいるはずもない。

人相の吉凶より食の慎みが大切

(修身録一巻)

人相の吉凶は無視して良い。

自分が立身出世できるか知りたいなら、まず食事の量を減らして毎日厳重に守ること。

これが簡単にできる人は必ず立身出世をし、できない人は生涯立身出世と無縁である。

食事の量を一定にする事は人の道の基本であり、それができる人は既に心身を治めているのだ。

飲食にうつつを抜かす人は論外である。

そういう人は動物のように行き当たりばったりの人生を送ることになる。

栄える=慎むこと

(修身録二巻)

栄えるということは、自分を慎むことと同じだ。

十人並の慎みがある人は、十人並の発展があるし、十人以上の慎みがある人は十人以上の発展がある。

万人を超える慎みがある人は、万人を超える発展があるのだ。

食は心身を養うのが基本だが、一番良いのは慎むことである。

普通、凡人には慎みがないが、非凡な慎みがある人は、優秀な人物であり必ず発展する。

ただひたすら慎みに専念して発展しなさい。

出世した後で、飲食を楽しむ

(修身録二巻)

立身出世の楽しみを望まない人は、飲食を楽しんでも良い。

しかし、おいしい物を求める人は最終的には貧しくなって、立身出世することはできない。

だから食事を楽しむことをしないで、先に立身出世を楽しみ、相応の財産を得た後で飲食を楽しむのが良い。

先に飲食の楽しみを極める人に、天は貧賤の苦しみを与えるのだ。

結論:食の慎みに専念する

さすがは南北で、言うことの重みが違います。

「栄えることの本質は、自分を慎むこと」

この言葉が謙虚すぎる。

油断するとだらしない方向(大食)に流されそうになる私ですが、南北の言葉を胸に刻んで誘惑を乗りこえています。

南北の言う通り、飲食の楽しみ=目先の楽しみです。

私は一生分の目先の楽しみを味わったので、これからは「食の慎み」を守っていきます。

過去に占いにはまった時期がありましたが、やはり自分が弱くなっていました。

占いに書かれたことに振り回される感じがして。

私には少食という最強魔法があるので、占いは必要ありません。

あなたも最強魔法を使ってみませんか?

参考文献

(訳)玉井禮一郎「食は運命を左右する」たまいらぼ/1984年

水野南北「開運の極意」

若井朝彦「江戸時代の小食主義」花伝社/2018年