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南北は自身の一日の食事量を、麦一合五勺・酒一合と決めていました。
観相家として成功した人物なのに、これほどの少食にできるのが驚異的です。
「みんなに手本を示したい」という南北の優しさのあらわれですね。
この記事では、南北の言う少食・粗食の運勢的効果と少食としての食事量を説明します。
なお、すでに少食の開運効果について記事を書いてますので、詳しい内容はそちらをご覧いただくとして、他の記事とかぶらない話と要点だけまとめます。
▽関連記事:少食は凶を吉に変え、吉を大吉にする
▽関連記事:大食・美食は運勢的に危険な行為
少食・粗食
少食の人
- 大きい困難・失敗がない
ちなみに、食事量がいつも適量の人
- 運勢は人相のとおり
と、ここまでは理解できるんですが、以下、少食のチートっぷりが爆発します。
少食の人@悪い人相・貧乏の人相
- 運勢は良い
- 相応に幸せ
- 何事もうまくいく
- 長生きする
- 病気とは無縁
- 特に晩年の運勢が良い
人相の意味あるの?
少食によって悪相が壊滅的打撃を受けております。
粗食の人@貧乏の人相
- 財産を得る
- 長生きする
- 晩年は吉
南北の言う粗食とは「自分の身分(生活水準)より低い内容の食事」のことです。
少食かつ粗食の人@悪い人相・貧乏の人相
- 財産を得る
- 出世する
- 晩年は吉
攻守に優れたっていうか、ピッチャー兼キャッチャーみたいな無敵っぷり。
少食、強し。
少食の人は病気にならない
(修身録一巻)
五十歳前に病気にかかり死相が出ている人でも、いつも少食を守っている人は、必ず生き延びる。
これは病気ではなく、方災(方角の禁忌を犯したことによる災厄)である。
命は食を基本としており、いつも少食なら病気とは無縁である。
ゆえにこの種の病人は方災であり、薬を使っても無駄だ。
少食の人は穀物の消費量が少ないので、自然と徳を積んでいる。
よって方災があっても死なない。
こういう人を自分も何人か観相している。
食は収入の基本
(修身録一巻)
決まった収入が欲しいなら、まず食を定めなさい。
高収入を得たいなら、少食を守ることだ。
三年間、食を慎み徳を積む時は、たとえ無収入の相があっても自然と収入を得る。
そういう人を私は数人知っている。
繰り返すが、食は収入の基本である。
人相・手相などにもともと吉凶はない。
飲食を厳重に定めることが良い相である。
飲食が定まらないことが悪い相である。
腹八分
食事量
- 「腹八分」が節目
- 満腹にならない量が最善
肉体労働者は例外
肉体労働の人は、以下の要素によって適量が異なります。
- 仕事内容
- 体つき
- 体質
腹八分の目安
(修身録三巻)
その人の体が大きいか小さいか、また強いか弱いかによって、それぞれ適量が異なる。
二膳・三膳でお腹いっぱいの人もいれば、四膳・五膳食べて満腹になる人もいる。
たとえば三膳で満腹になる人は、二膳半でやめておくことを腹八分といい、腹八分のことを節という。
空腹で食べようとすると、内臓の入口が自然と開いて食べ物を受け入れる。
腹八分目になると、自然と内臓の入口は閉じる。
そこで食べるのをやめれば良いのに、さらに食べるので内臓の入口が閉まらなくなり、たくさん食べないと満腹にならないという悪循環が生まれる。
これは暴飲暴食であり、病気・凶運の原因になる。
不幸・病気は、すべて食べ過ぎが原因だと知りなさい。
人格者・有識者であっても、不幸・病気の人はすべて食を慎まない人である。
食の慎みがない人は、本当の人格者・有識者ではない。
そのような人はある意味化け物である。
三年、食を慎むと必ず開運する
(修身録三巻)
食は心身を養う基本である。
ゆえに食を慎むと心身ともに健康で、気が自然に開いてくる。
気が開くと運もそれにつれて開いてくる。
「運気」というのは、運は気にしたがうという意味だ。
食べ過ぎると、腹の調子が悪くなり、気も自然に重くなる。
気が重いと、気色が滞り明るくならない。
気色が明るくならないと、運がひらくこともない。
まず三年、食を慎みなさい。
もし運気が開けないなら、この世界に神などいない。
水野南北は、天下の敵である。
南北の名言
南北が書物を残してくれたからこそ、私たちは少食開運法を知ることができました。
南北は平凡な占い師ではありません。
言葉の一つ一つに、「自ら実践した」人の凄みがあります。
私たちは奇才・水野南北と同じ時代に生きてはいませんが、その言葉・名言を通して人となりを知ることができます。
人間は弱い生き物ですから、何かをやり遂げたくても途中で挫けそうになることも多いです。
おまけに現代は飽食の時代で、様々な誘惑に囲まれています。
そんな時は、南北の言葉・行動を思い出してみてください。
私たちが生まれるよりずっと昔に、成功したにもかかわらず少食・粗食を貫いた、稀代の名占い師「水野南北」の名言です。
「人を占うことの本質は、自分の慎みにある」
参考文献
(訳)玉井禮一郎「食は運命を左右する」たまいらぼ/1984年
水野南北「開運の極意」
若井朝彦「江戸時代の小食主義」花伝社/2018年