小麦が中毒・依存・異常な食欲を引き起こす理由

食事

小麦を食べないことのメリットがどれだけあっても、小麦中毒・小麦依存症になっている人は小麦断ちを躊躇うことが多いです。

小麦製品は本当に魅力的な食べ物が多いですから。

そういう私も以前は完全な小麦中毒でしたし、小麦断ちしている現在も誘惑に負けてたまに食べてしまいます。(月1回とか)

ですが、なぜ小麦の摂取により中毒・依存としか言いようのない暴力的な食欲に襲われるのか、そのメカニズムを知れば小麦をやめようという気持ちが強くなるでしょう。

小麦は血糖値を急激に上げる

小麦の「スーパー糖質」

小麦の複合糖質はアミロペクチンA(75%)、アミロース(25%)の2種類です。

アミロースは消化の効率が良くなく、一部は未消化のまま結腸に届きます。

アミロペクチンAは非常に効率的に消化され、血糖値を急激に上げます。(スーパー糖質)

ほとんど全ての炭水化物の食品より、急激に血糖に変換されるのです。

満腹と空腹の2時間サイクル

小麦を食べた後、アミロペクチンAにより血糖値とインスリン分泌量が急上昇します。

そして血糖値の上昇(満腹感)と減少(空腹感)が2時間ごとに繰り返されます。

朝7時:小麦製品を食べる

→9時:血糖値が低下してお腹がすく

→11時:空腹になる(昼前に何かつまむ)

食べて2時間後にお腹がすくというのは、明らかに「偽の食欲」です。

しかし低血糖の症状(頭がぼーっとする・倦怠感がある)が出ているのに、食べないでいることは非常に困難です。(経験者)

そして高血糖の状態が何度も起きたり長時間続くと、脂肪はどんどん蓄積されます。

気づいたら洋服がきつくなっていた、そんな経験はありませんか。(私は耳が痛いです)

状況が悪化する前に…そうです、ファスナーが上がらなくなる・壊れる(!)前に小麦をやめることをおすすめします。

また、内臓脂肪(お腹の脂肪)が多いと、インスリンに対する反応が悪くなります。

そうなると、もっと多くのインスリン量を要求するので、糖尿病の原因になります。

小麦を摂取すると多幸感が生まれる

小麦は脳・神経系に影響を及ぼす

小麦は消化されるとポリペプチド混合物(外因性モルヒネ様化合物・略してエクソルフィン)に分解されます。

エクソルフィンは、血液脳関門というバリアーを通過する性質を持っています。

血液脳関門:血液と脳の間の物質交換を選択的に制限する仕組み。

脳に入ったエクソルフィンは、脳のモルヒネ受容体と結びつきます。

これにより多幸感・依存症が生じ、異常な食欲が引き起こされるのです。

よって、小麦断ちするとエクソルフィンが引き金となる多幸感が得られない為、食欲が大幅に減ります。

小麦断ちで異常な食欲が消える

運動が好きで、食事にも気を使う男性は、夕食後の異常な食欲に悩んでいました。

「夜は食欲との戦いです。夕食後に食べたいという衝動が抑えきれないんです。(中略)夕食以後、寝るまでずっと食べ続けてしまうことがときどきあるんです。なぜかはわかりませんが、夜になると何かがおかしくなって、どうにもやめられないんです」

引用:「小麦は食べるな!」/P75

Dr.ウイリアム・デイビスは、彼に食事から小麦を除去するよう助言しました。

そして彼が小麦断ちして3日で、夜の異常な食欲は消えたのです。

夕食後、何も食べなくても平気になりました。

昼間の食欲も減り、おやつをほとんど食べなくなりました。

食欲・衝動をコントロールできるようになったのです。

小麦の強力な「食欲増進」作用

小麦は非常に強力な「食欲増進剤」です。

暴力的なまでに食欲を刺激します。

小麦に振り回される毎日から、もう解放されたくないですか。

思い切って小麦断ちしてみましょう。

小麦を食べないと、エクソルフィンが不足します。

エクソルフィン:血液脳関門というバリアーを通過して脳に侵入、脳のモルヒネ受容体と結びつくことで多幸感(依存症・異常な食欲に繋がる)を生み出す。

また、小麦を除去すると血糖値の乱高下による満腹感と空腹感の2時間サイクルが起きません。

1日の摂取カロリーは350~400キロカロリー減ります。

小麦摂取による異常な食欲がなくなるので、これは当然のことです。

引用・参考文献

(著)ウイリアム・デイビス(訳)白澤卓二「小麦は食べるな!」日本文芸社/2013年